生徒の活動レポート

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高校文化講演会が行われました 2025年11月05日

11月5日(水)3、4時間目に、文芸評論家の三宅香帆さんをお迎えし、高校生を対象とした文化講演会「言語化と読書の魅力」が行われました。

 『なぜ働いていると本が読めなくなるのか』などの著書で知られ、同書は「2025年新書大賞」を受賞されました。ご自身の「好き」を突き詰めた視点での書評やエッセイは、読者から多くの共感を集めています。
 
 本講演では、読書や「知識」について、生徒の実生活に基づいてお話いただきました。ここでいう「知識」とは、「情報」と「ノイズ」が組み合わさったものとされており、私たちが普段「知りたい」と思って検索するような「情報」に対し、「ノイズ」とはその背景にある文脈や一見関係がなさそうに見える周辺知識のことを指します。三宅さんは、テストの答えや検索結果のような「情報」のみを求めるのではなく、回り道に見える「ノイズ」を積極的に取り入れることの大切さを強調されました。「好きを大事にしよう」「今すぐ何かの役に立なくてもいい」というメッセージと共に、「ノイズ」を受け入れることが私たちの相互理解を深め、「その人らしさ」や「個別性」につながっていくと語られました。

 加えて、「ノイズ」を取り入れるための「言語化」というテーマにも及びました。相手に正確に分かりやすく伝えるための「他人に対する言語化」と、自分でもわかっていなかった「もやもや」の正体を突き止めるための「自分の中の言語化」。日々の生活では「他人に対する言語化」が多く求められますが、三宅さんは、自分自身の心の「もやもや」に気付きそれを言葉にしてあげる「自分の中の言語化」の作業の重要性に言及されました。

 講演の最後には質疑応答の時間も設けられ、三宅さん自身が実践している「自分の中の言語化」のプロセスについての質問など、多くの質問が寄せられ読書・言語化といった今回の講演に対する高校生の関心の高さもうかがわれました。

 今回の講演は、高校生にとって「好き」をより深め、自分の考えや感情を言葉にするための手がかりを得る貴重な機会となりました。自分と向き合い、自分自身で今後の道を選択していく大切な時期に、今回お話いただいたことを活かして進んでいってほしいと願います。

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