建学の精神、教育理念
堅実にして質素、しかも品格ある女性の育成
本校の教育の全てが、この理念に集約されています。「品格」とは、豊かな教養と高い見識を身につけ、言動に中庸を得、人としての美しさが日常の仕草や動作に表出されること。そして、たとえ豊かであっても華美に流れず、人として「堅実にして質素」であること。そうした精神の豊かさを備えた「品格ある女性」の育成こそが本校の教育理念として継承されているのです。
これがため、生徒は
良識を養い、実践を尚び、責任を重んずることを日常の心がけとする
“実践”と“責任”を重んずる本校の教育は、女性の社会貢献を唱えた校祖の思いとして校名に集約されています。青少年の規範意識の低下が危惧され、教育改革が社会の優先課題とされる今、何でも自由という時代だからこそ、明確にあるべき指針を生徒たちに示す教育、真の意味で、生徒の可能性を開き、個性を育むことを目指す教育。この伝統は、まさに「実践教育」という文化なのです。
そして本校が大切にしているのは、「全人教育」です。学業だけでなく、学校行事、クラブ活動、委員会活動、今回紹介した探究プログラムのすべてを土台とし、バランスの取れた人格形成を目指しているということです。例えば、運動会のような学校行事も重要な全人教育の一環です。半年も前から生徒たちが実行委員会を組織し、企画から運営まですべてを生徒たちの手で行います。本番では、苦労が報われた感動で涙する生徒の姿をたくさん見かけます。このように他と協働する体験を積み重ねることが、豊かな人間性を養う上で非常に重要だと考えています。
大学への通過点としての「中学校・高等学校」ではなく、一人の女性を大切に育んでいくための「中高一貫教育」。私たちが見つめているのは、生徒一人ひとりの未来です。
創立から1世紀以上が経過しても、決して色あせない「実践」への想い
実践女子の教育 下田歌子の理念[おもい]
創立者・下田歌子は、日本を代表する近代女子教育の先駆者でした。
その下田歌子の理念が実を結び、1899年、実践女子学園の歴史は始まったのです。
女性の社会的自立をめざした下田歌子は、「女性が社会を変える、世界を変える」時代の到来を120年も前から確信していたに違いありません。
校名の「実践」は、学問を実際に役立てて実行するという意味。
私たちが大切にしていることは、生徒が“知識”を習得するだけではなく、それらを実生活において「実践」できる“知恵”として身につけることなのです。生活に役立て、広く社会に還元できてこそ、知識は意味をなすのです。
青少年の規範意識の低下が危惧され、教育改革が社会の優先課題とされる今、何でも自由という時代だからこそ、明確にあるべき指針を生徒たちに示す教育、真の意味で、生徒の可能性を開き、個性を育むことを目指す教育。この伝統は、まさに「実践教育」という文化なのです。
常に“実践”を尊ぶ本校の教育理念は、女性の社会貢献を唱えた下田歌子の強い想いとして、今も校名に集約されています。当時、創立者の姓を冠することが一般的であった時代にあって、「実践女子学園」と名付けた背景には、校祖下田歌子の教育に対する深い想いがあったのです。そして、1世紀以上経った現在も、本校はその理念を第一に、大切にしていきます。
「常に変化し続けること」 それこそが「伝統」
私たちが受け継いでいる伝統とは、「社会的に自立し、活躍できる女性を育成し続ける」という姿勢。本校にとって「伝統を守る」とは、単に古く、由緒正しきものを、現代において固持していくことを意味するのではありません。
その時代の社会で力を発揮できる女性を育成するためには、必要ならば自己変革していくことこそ必要なのです。「変化」と「伝統」。実践女子学園において、これらは決して、相反する概念ではないのです。
創立から1世紀以上が経過し、女性の活躍の場が極めて大きく多様に広がった現代においても校祖の願った女性のあり方は、決して色あせることはありません。
私たちが大切にしていることは、たとえ豊かであっても華美に流されない「堅実」「質素」の精神。そして、一人の人間として確かな意見を持ち、かつ他者には思いやりを持って接することの出来る「品格」を備えた女性の育成です。実践女子学園では、今も変わらぬ下田歌子の「実践」の理念を基に、実践力・行動力を育む教育を継承、革新を続けていきます。