中学2年生が実践女子大学渋谷キャンパスで向田邦子文庫を見学しました。 2023年03月13日
国語の授業で向田邦子氏の代表作「字のない葉書」を学んでいる中学2年生が、2月20日(月)から24日(金)にかけて、実践女子大学渋谷キャンパス内の向田邦子文庫展示室と、大学図書館を見学しました。
「字のない葉書」は、向田氏が自身の子どもの頃の思い出をつづった随筆です。その筆者はどんな人であったのか、他にはどんな作品をのこしているのか、学園にゆかりの人物である向田氏をより深く知るために、数年前からほぼ毎年行われているイベントです。向田邦子文庫展示室は現在休館中ですが、今回、生徒のために特別に開いてくださいました。感染症対策のため少人数のグループにわかれての見学です。1グループに1名ずつ職員の方がつき、生徒たちに丁寧な説明をしてくださいました。
向田邦子氏は、実践女子大学の前身である実践女子専門学校国語科(現在の国文学科)を卒業後、映画雑誌の編集者を経て、テレビドラマの脚本家、作家、エッセイストとして活躍し、第83回直木賞を受賞しています。実践女子大学には、向田氏に関する3000点以上の文献のほか、愛用していた万年筆、留守番電話機、食器やバッグなどの日用品にいたるまで、多くのコレクションが収蔵されています。向田氏が仕事仲間や友人らとの交流を大切にしていたお話、また、そのファッションや生活スタイルは当時の女性たちの憧れであったお話をうかがいながら、生徒たちは興味深くコレクションを鑑賞していました。
展示室には、「向田邦子」の名前が入った特注の原稿用紙の束も展示されています。もし事故でなくなっていなかったらどんな作品が生み出されていたのか、生徒達も思いを馳せているようでした。
大学生が使用している図書館の中も見学させていただきました。中高図書館の蔵書は8万5000冊ですが、大学図書館の蔵書は渋谷キャンパスだけでその倍以上にのぼります。階段を下って地下の集密書庫も見学しました。地下書庫では、電動書架を自分で操作して本を選びます。生徒たちは蔵書の豊富さ、快適な設備に「自分も早く使ってみたい」「地下の書庫がすごい!お家にもほしい」など、素直な感想を目を輝かせながら言っていました。
本校では現在、高校生が大学図書館の資料や設備を利用できるようになっています。いま中学2年生の生徒たちが大学の図書館を使えるようになるのはもう少し先ですが、「高校に入ったらまた来よう!」と期待を胸に話している生徒たちもいました。