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2024年度入学に寄せて(校長、理事長祝辞) 2024年04月08日

入学に寄せて

 新入生の皆さん、ご入学、おめでとうございます。教職員を代表して、実践へようこそと申し上げます。
 また、保護者の皆様、お嬢様のご入学、まことにおめでとうございます。心からお祝いを申し上げます。
 本校は、一八九九年(明治三十二年)、近代女子教育の先駆者であった下田歌子によって創立されました。女性の社会的地位がほとんど問題とされなかった時代において、いち早く女性の地位向上を目指し、その基礎が女子教育にあることを確信していたのが校祖下田歌子でした。教育により、女性の品格を高め、さらに実践的な学業を授けることで自立の基礎とし、社会に貢献できる人材を育成しようとしたのです。
 以来、本校は一貫して、堅実にして質素、しかも品格ある女性の育成を目指し、また、この教育理念を持つことを誇りとして、社会で活躍する多くの人材を世に送り出してきました。これまで送り出した卒業生は、学園全体で一七万人を超えています。
 下田歌子は、現在の岐阜県恵那市岩村というところで生まれましたが、明治四年、十六歳の時に、はじめてふるさとを離れて、東京を生活の拠点としました。ふるさとに別れを告げる時に詠んだのが「綾錦の歌」です。その歌は、
  綾錦着て帰らずば三国山
     またふたたびは越えじとぞ思ふ
というものです。歌の中の「三国山」はふるさとと東京方向をへだてる山です。志を遂げることができないのなら、私は二度とふるさとに戻るつもりはないという決意の歌でした。この志とは、富や名声といった、個人的な立身出世の思いではありません。社会に貢献し、その中で自己の実現を図ろうとしていました。この二十八年後、明治三十二年に本校を創立することになります。
 十六歳の少女は高い志を抱いておりました。若き女性の高き志、これが本校の原点です。 
創立者は生涯に多くの言葉を残していますが、入学にあたり、その一つを紹介したいと思います。学園の建学の精神に深く関わることばであり、女性の生き方を諭された次のような言葉です。
     揺籃を揺るがすの手はもってよく天下を動かす 
という言葉です。揺籃とは揺りかごのことです。揺りかごを揺する手は、当時にあっては、母の手であり、女性の手です。現代では、揺りかごを揺する手に男女の差はありませんが、そのような愛情に満ちた手が、社会を変え,世界を変えることが出来るのだというメッセージです。
 皆さんも是非この気概持って、本校で多くのことを学んでいただき、生涯の財産を得ていただきたいと思います。
 現代、女性の社会的な活躍がより一層求められています。社会を支え、発展させる女性を世に送り出すことは本校の責務であり、みなさんに強い期待を抱いております。皆さんは、私たちの未来への希望です。
 また、校祖は教職員に「父母がその愛児に臨むの心をもって生徒に対すべし」という言葉も残しています。生徒を我が子のように大切にしました。教育の理念とともに、生徒一人一人を大切にするという伝統も教職員の間に脈々と受け継がれています。本校は長い伝統により培ったすべての環境をかけて、皆さんを支援し、大切にしていきます。高い目標をもって、安心して学んでください。
 学業を中心に、それだけでなく、いろいろな物事にチャレンジしてください。多くの友達と語り合い、生涯の友達、生涯の先生に出会ってください。そうすれば、皆さんはいつか、いままで気がつかなかった自分を発見していることでしょう。
 私たちは、皆さんが有意義な学びの生活を送るためのあらゆる支援や、そのための努力を惜しみません。
 最後になりますが、保護者の皆様、責任をもって、お嬢様を、大切にお預かりいたします。本校でのびのびと過ごされ、大きく成長されることを全力でお支えすることをお誓い申し上げます。

2024年4月 8日
実践女子学園中学校
校長 湯浅茂雄

入学に寄せて

新入生の皆様、並びに保護者の皆様、実践女子学園中学校へのご入学、誠におめでとうございます。
また、多くの選択肢がある中から、実践女子学園中学校を選んでくださり、ありがとうございます。

実践女子学園は、今年、創立125周年を迎えます。

本学園の創立者であり、女子教育の先駆者である下田歌子は、100年以上も前に世界に飛び立ち、「女性が社会を変える、世界を変える」という建学の精神をまさに「実践」し、本学園を創立しました。

この歴史と伝統の重みを背負いつつ、創立者の意思を引き継ぎ、時代の変化を踏まえた改革を行うことで、より良い教育を実現しています。

特に、「社会連携・グローバル・高大接続」をテーマにした学習の機会を、皆様に提供できるよう、中期計画の策定と実行を通じて、学園の価値を向上させる多様な施策を推進しています。

例えば、実践女子学園中学校高等学校には、大学・大学院も併設され、大学との物理的な近さもメリットの一つとなっています。高校生になりますと大学の図書館を利用することができ、大学の授業を受け単位を修得することもできるようになっています。

皆様が、しなやかに、そしてたくましく生きていく女性に成長できるよう、私たち実践女子学園自身も学び続け、多様な学びの機会を提供できるよう弛まぬ努力をしていきます。

今年入学された皆様が社会にはばたく頃には、本学園の建学の精神である「女性が社会を変える、世界を変える」という言葉が当たり前の世の中になっているかもしれません。そのような社会の中で、自ら機会を掴んで「実践」していける人材になってほしいと期待しています。

一人ひとりの意思や個性はそれぞれです。中学、高校という大切な時期に、自分自身をしっかりと見つめ、自分らしさを自分で見つけてほしいと考えています。多くの経験をする、多くの友人と触れ合う、そんな時間を過ごしてほしいと思います。
新しい学園生活が、皆様にとって充実したものとなり、夢に向かって進む一歩となりますよう、心から願っています。

2024年4月 8日
学校法人 実践女子学園
理事長 木島葉子

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