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創立記念日にあたって 2026年05月07日

実践女子学園中学校高等学校校長 湯浅茂雄

 本日、5月7日は、実践女子学園の127回目の創立記念日です。

 5月7日が創立記念日である理由は、明治32年5月7日に、実践女学校・女子工芸学校の生徒合わせて40名で最初の入学式が行われたことから、これ以来、最初の入学式の日である5月7日を創立記念日としてきたのです。創立の地は麹町元園町(現在、麹町学園女子が教育を展開している)でしたが、すぐに多くの生徒が集まり、校地が手狭になったため、明治36年に、皇室の御料地をお借りして(後に払い下げをいただく)、現在の渋谷の地に移転しました。

 校祖下田歌子先生は、「綾錦の歌」に象徴されるように、少女時代から高く大きな志を抱いていました。明治4年、16歳の時に、故郷に別れを告げ、東京に旅立ちましたが、その時に詠んだ歌が「綾錦の歌」です。
        綾錦 着て帰らずば 三国山 
                またふたたびは 越えじとぞ思ふ
「志を遂げることができないならば私は二度と故郷には戻らない」、その志とは、女性のための学び舎を作ることです。この28年後に本校を創立します。若い少女の大きな志が本学園、本校の原点です。

 下田先生は本校創立の準備段階で、帝国婦人協会を設立し、自ら会長となり「帝国婦人協会設立主意書」を起草します。その中で「揺籃を揺るがすの手は以てよく天下を動かす」と述べています。揺籃は「ゆりかご」のことです。ゆりかごを揺する手は、母の手であり、女性の手である。その手は世界をも動かすことができる。もちろん現代では男女の差はありませんが、そのような愛情に満ちた手で、社会を支え、変え、世界をよりよく変えていきなさい。そのような気概、志、決意をもって、学び、実践し、社会に貢献することで、自分を全うしなさいという教えです。本学園では、下田先生のこの言葉の意図を「女性が社会を変える、世界を変える」と表現しています。学園の建学の精神です。
 創立記念日にあたり、この建学の精神と、それを支える若き女性の高き志を確認していただければ幸いです。
 女性には教育は必要ないとまで言われていた時代に、いち早く女性の社会的地位向上を目指し、その基礎が女子教育にあることを確信していたのが下田先生です。

 大切なことは、本校は、女性の地位向上のための一つの拠点であったということです。実践だけ良ければ、というのではなく、女子教育の輪を全国に広げるための拠点であったということです。実際に下田先生は各地の女子教育機関の創立、運営に精力的に関わっていきました。その結果、近代女子教育の確立という未来を切り開き、私たちに残してくれたのです。私たちはその恩恵に浴しています。
 以上の意味で、本日の創立記念日は、本校創立の記念日という意味を越えて、我が国の近代女子教育が本格的に動き出した記念の日であるともいえるのです。

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