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新年にあたって 2024年01月11日

新年にあたって

(1月10日に行われた中高の朝礼での言葉をお届けします。)

 中学校高等学校、全校の皆さん、おはようございます。
 新しい年が明けました。皆さんにとって今年が、いいことが沢山ある素晴らしい年になることを心から祈っています。
 ただ、皆さんもご存じのとおり、新年を迎えたその日に、能登半島を中心に、大きな地震に見舞われ、その大きな被害の全容も未だに明らかになっていません。被害に遭われた多くの方々の苦しみを思わざるを得ません。皆さんのご親族にも、被害に遭われた方もいらっしゃるかも知れません。もしそうでありましたら、この場をお借りしてお見舞いを申し上げます。

 それでは、改めまして、本日のお話に入ります。新年最初のお話は「本校の教育方針」についてです。毎年、同じ時期に、同じ趣旨のお話をしていますが、大切な内容ですので、新しい内容ではありませんがお話をさせてください。
 本校の教育方針は『生徒手帳』の冒頭に明記されていますので、皆さんもよく知っている内容です。

  堅実にして質素、しかも品格ある女性の育成をもって教育方針とする。
  これがため、生徒は
    良識を養い、実践を尚(とうと)び、責任を重んずることを日常の心がけとする。

というものでしたね。この言葉を、新しい年の初めに、改めて強く意識して欲しいのです。「1年の計は元旦にあり」という言葉がありますよね。今日は「元旦」ではありませんが、その言葉のように、年のはじめの覚悟や過ごし方が、その一年のありかたを左右するからです。
 以下に、本校の教育方針の内容や言葉について、私の言葉を添えて、具体的に説明してみたいと思います。
 「堅実にして質素」とは、人がやっているからとか、言っているからといって、簡単に左右されたりせずに、また、世の中の風潮にすぐに染まったり、必要以上に派手になったりせずに、自分が出来ること、信じていることを着実に積み重ねていく様子です。それが「堅実にして質素」なのです。
 また、「品格ある」様子とは、自分が出来ることや、信じていることを着実につみ重ねていくことで、自然ににじみ出て、人に伝わっていく、上品な人柄のことです。
 そのような人になるためには、「良識を養う」こと、これは教科を真剣に学ぶことはもちろんですが、委員会活動や部活動などに精一杯取り組んで、チームワークの大切さを知り、礼節を身につけていく経験も「良識」を養うことになります。学んだこと、身につけたことは「実践」してこそ意味があり、社会に貢献することが出来ます。そして「実践」することには必ず「責任」が伴うことも知っておきましょう。
 これらのことを心がけて生活することは、皆さんを豊かにし、自然と誰からも一目を置かれる人になることでしょう。皆さんには、是非、そうなって欲しいのです。
 私の説明を参考にして、もう一度、生徒手帳の「本校教育方針」を読み返し、自分に即して理解して、これからの学校生活に活かしてください。皆さんに大いに期待しています。

 最後に、校祖下田歌子先生が、明治四十一年頃に、当時の教え子に向けて詠んだ歌を紹介したいと思います。

  ときはなる 色も深めて ことくさに
           たちまさらなむ やまとひめ松

という歌です。最初の五七は、直訳では「常緑の、その色をさらに深めて」という意味ですが、下田先生が意図した意味をとって意訳しますと、「日本女性の良さをさらに深めて」という意味になり、「ことくさ」は「外国の女性」という意味ですから、全体的には、「日本女性の良さをさらに深めて、外国の女性にもまけないで生きなさい、あなたたち、日本のおとめたちよ」という意味になります。「あなたたち、日本のおとめは」は生徒たちであり、皆さんたちです。本校校歌の最終句「にほへ八島の外までも」の下田先生の熱いメッセージに通じますね。校歌の最終句は昭和7年に、下田先生が自ら整えられたものですが、そこに通ずる想いは、すでに本校が開校して間もない、明治四十一年にはあったことが分ります。
 新年にあたって、この下田先生が生徒に向けた歌も紹介したかったのです。
 皆さんにとって、良い一年となりますように祈っています。お話は以上です。

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