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自分を探す 2023年02月27日

自分を探す

(中高の朝礼での言葉をお届けします。)

実践女子学園中学校高等学校校長 湯浅 茂雄

中学校のみなさん、おはようございます。
今年度も残すところ僅かですね。私の講話も、今年度はこの講堂のお話で最後となります。

新学期には、中三は高校に進学しますし、中二は最高学年になります。中一は後輩を迎えることになります。
その大切な節目を迎える時期にあたって、皆さんに折に触れて、是非意識してほしいことがあります。

それは常に自分を探し続けて欲しいということです。「本当の自分」を見つける努力をしてほしいということです。
「本当の自分」を見つけている状態とは、自分に取って一番大切なものは何なのか?自分はどの様に生きたいのか?そのためには今、何をしたいのか?などに答えがある状態だと思ってください。
「本当の自分」を見つけることは容易なことではありません。
もしかしたら、私たちは生涯をかけて、自分探しを続けているのかもしれません。でも難しくても、見つけようとしなければ、「本当の自分」に近づくこともできません。

では、どうしたら「自分探し」が出来るのでしょうか。いろいろと方法はあると思いますが、三つの方法を挙げてみます。

その一つは、いろいろな物事に真剣に取り組むことだと思います。いろいろなことにチャレンジをすることです。物事に真剣に取り組めば、必ず自分に返ってくるものがあります。その「手応え」を大切にしてください。それを、いろいろな物事で繰り返すことで、その手応えの違いから「自分を知る」きっかけになるはずです。「手応え」とは、やってみて「これだ」と感じるとか、今回は失敗だったとしても、「もっともっとやってみたいと感じる」などのことです。
本校には教科学習を通して、また多くの学校行事を通しても、皆さんに、新しい経験に取り組んでもらう機会が沢山用意されています。これらに、受け身な気持ちで取り組むのではなく、積極的に真剣に取り組むことで、いままで気づいていなかった新しい自分の発見に繋げていってください。

もう一つの方法は、本物に出会うことだと思います。本校の学校行事でいえば芸術鑑賞などです。一流の芸術作品に、ホールや美術館などで、直接触れる機会を得ることに積極的になってください。皆さんは若いので、本物に出会うことは、皆さんのみずみずしい、柔軟な感性に訴えかけ、皆さんの「本当の自分」を刺激したり、呼び起こしたりすると思います。「自分探し」に繋がるのです。

さらにもう一つの方法は、沢山の人や、物事に出会うことです。今の皆さんの環境でそれが出来るのは、やはり「読書」です。読書については、昨年11月に「読書の季節」ということではお話をしました。「読書は出会い」「読書の利点」「多読、乱読の勧め」というポイントでお話ししましたよね。古今東西の人に出会い、自分とは違う考え方、感じ方を知ること、自分が今まで知らなかった言葉や表現力を知ることは、皆さんが新しい自分を見つけることに繋がります。それは「自分を探す」ことに他なりません。

皆さんは無限の可能性を秘めています。ですから、自分の可能性を決し小さく見積もってはならないのです。そうでなくても、自分の可能性にまだ気がついていない部分も多くあるかと思います。

「自分探し」「本当の自分」ということを意識して、高い志をもって、自分を見極めて多くの可能性を拓いていってください。

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