「かるた大会」 2023年01月23日
かるた大会
実践女子学園中学校高等学校校長 湯浅 茂雄
1月10日(火曜日)は、中学校の学校行事である「かるた(百人一首)大会」でした。2・3限の時間を使って、記念体育館で行われました。各学年に分かれて、それぞれの学年の1位から3位が決定されます。
この行事の前提として、中学生は国語科の授業の中で百人一首を学びます。中1から百人一首を学ぶサブテキストも持たせています。そして、中1の前期期末試験から1番歌から10首ずつ出題され、中3の前期試験までで100首の出題が終わり、以降は復習として定期試験に出題されています。
また、毎年、3学年ともに11月ごろには各クラスとも「かるた委員」が2名ずつ決められ、かるた大会の準備や運営にあたります。また、かるた委員は、自分のクラスが良い成績が収められるような取り組みも企画もします。このようにして本番を迎えるのです。
全生徒が各学年同時進行で、読み手の声に反応してかるたを取る様子は壮観です。全ての札が読み終わると集計結果が発表されますが、その結果にはクラス毎におおきな歓声があがります。その結果、各学年の1位から3位の計9名が決まりました。
1月14日(土曜日)には、午後2時から、この9名による決勝戦が行われました。この決勝戦は「かるた姫 ~ここに姫、降臨~」と題されて、別行事として行われます。選手の保護者の皆様にもご見学をいただきました。
中学生徒会が主催し、和装着付け部(着付けを担当)、国語文芸部(読み手を担当)が共催し(私も一部読み手を担当しました)、日本文化実習室(畳敷きの教室)で行われました。9名の選手達はこの日は着物を着ます。その着付けを和装着付け部が担当するわけです。国語文芸部の美しい読み声も「かるた姫」に素敵な色彩を添えました。
3グループに分れ、取った札の枚数によって1位、2位、3位が決定し、かるた姫達に賞状が授与されました。
かるた大会、かるた姫の行事は、お正月らしい行事であり、歌人であった下田歌子先生が創立した学園としても、本校らしい行事といえます。競技かるたは「畳の上の格闘技」ともいわれますが、記憶力を鍛え、積極性や集中力を育てるともいわれます。また教育としても、日本語の財産である珠玉の日本語の集成である百人一首を覚えることの意味は決して小さくありません。古典に親しみ、日本語のリズムや語彙を自然に身につけていくことになります。本校では、英語の学びに関して「レシテーション(暗唱)コンテスト」の行事もありますが、この二つには通ずるものがあります。その効果はじわじわと現れてくることでしょう。
生徒の皆さんには、日本語に限らず、好きな文章を何度も読んで覚えること、しかも楽しく覚える習慣をつけて欲しいものです。