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校長室の窓から「新入生を迎えて」 2022年04月08日

(4月8日に行われた高校入学式の言葉をお届けします。)

桜も花を残してくれています。本日は、まさに春爛漫、校内の草木の花々が豊かな彩りを添えて、皆さんの高等学校入学を祝ってくれているかのようです。
只今、二〇三名の皆さんに入学を許可いたしました。
改めまして、皆さん、ご入学、おめでとうございます。
また本日、ご出席を賜りました保護者の皆様、お嬢さまの高等学校へのご入学、まことにおめでとうございます。心からお祝いを申し上げます。

皆さんは、中学校の全課程を修了し、本日より実践女子学園高等学校の生徒としての生活が始まります。これまでの中学三年間の成果も大切にし、それを踏まえながらも、気持ちを新たにし、自分をさらに大きく成長させてください。

皆さんの可能性は無限です。自分を決して小さく見積もってはなりません。皆さんは、自分でさえ気づいていない多くの可能性をうちに秘めているのです。
高い志を持って、目標を高く掲げ、主体的に学ぶことで、自分探しの旅に出てください。

中学校の卒業式の式辞でも述べましたが、皆さんには、実践女子学園で大きな夢を見つけて欲しいと願っています。また、見つけた夢の実現に向けて、一歩一歩、着実に前進してほしいと願っています。高等学校の三年間は、その夢の実現の基礎を作る大切な時期なのです。
そのためには、精神的に自立することを目指してください。自立する人でなければ志を遂げ、夢を実現することは出来ません。

「自立」ということでいえば、この4月1日には改正民法は施行され、成人年齢が十八歳に引き下げられました。そのことはご存じだと思います。成人年齢に関する民法の規定変更は一四六年ぶりのことです。規定変更の理由は、若者の自立を促し、社会の活性化を図る狙いがあります。この規定の変更によって、皆さんは本校を卒業するときには成人となっていることになります。自立を目指すことはその意味でも大きな意味を持ちます。

では「自立」とはどのようなことでしょうか?自分のことは自分でするということはもちろんなのですが、大切なことが二つあると思います。それについてお話しします。

一つめは、自らの行動の結果を人のせいにしないことが自立です。その行動を選択したのは、あなたの責任において、あなたが判断したことです。最初から人に頼ってはいけません。多くの人の意見を聞くことは、人に頼ることではありせん。むしろ大切なことです。一人よがりでない判断材料を得て、最終的にあなたが判断するのです。
二つめは、自分の頭で考え、自分の心で感じられる人が自立した人です。当たり前だと思うかも知れませんが、難しいことなのです。多くの人がそう言ったり感じているから、そう考えたり、感じているのかも知れないのです。本当に自分の考えなのか、本当に自分の心で感じているのかを確かめてください。

また、皆さんの学校生活では「主体的に学ぶ」ということも「自立をめざす」ことに密接に関係してきます。「主体的に学ぶ」とは、目標をもって、自分から進んで学ぶことです。足りないことが見つかれば、自分から進んで補っていくことです。それは学ぶことを楽しむことにつながりますし、楽しんでやることは長続きしますし、「自立」した態度につながっていきます。
高等学校入学にあたり、「自立をめざす」「主体的に学ぶ」という2つのキーワードを胸に刻んでいただきたいと思います。

現代、女性の社会的な活躍がより一層求められています。社会を支え発展させる女性を世に送り出すことは校祖下田歌子先生が目指したものであり、本校の責務です。みなさんに強い期待を抱いております。皆さんは、私たちの未来への希望です。
私たちは、皆さんが有意義な学びの生活を送るためのあらゆる支援やそのための努力を惜しまないつもりです。

最後になりますが、保護者の皆様、これまで本校の教育方針をご理解くださり、さまざまなご助力をいただいておりますことを、この場をお借りしまして、心から感謝申し上げます。
本日から始まりますお嬢様の高等学校生活は、中学校とは比較にならないほど学びの範囲や負荷が大きくなります。お嬢様に安心して学んでいただく環境を整えるには、ご家庭と学校とが手を携えてはじめて可能になるものと考えております。必要に応じて、厳しく指導させていただくこともあるかも知れませんが、これまでと同様、本校の教育方針をご理解いただき、ご支援をいただきますようにお願い申しあげます。
本日よりの三年間も、責任をもって、お嬢様を大切にお預かりいたします。三年間を本校でのびのびと過ごされ、大きく成長されることを全力でお支えすることをお誓い申し上げて、式辞といたします。 
 
令和四年四月七日   実践女子学園高等学校校長 湯浅 茂雄

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